ファンタジー

幻想生物

妖精伝承

ケット・シー

犬の妖精。ケット(犬)シー(妖精)人語をしゃべり二本足で歩く。二カ国の言葉を操れたりするなど知能も高い。魔法を使うこともできるとされる。

バンシー

アイルランドおよびスコットランドに伝わる女の妖精であり、家人の死を予告すると言われる。

その姿は、「長い黒髪で緑色の服に灰色のマントを着た女」や、「美しい少女」、「ボロボロの服を着た薄気味悪い老女」であると伝えられる。

死に関わる妖精だが、あくまで死を予言するだけで人を殺したり悪さをするわけではない。

デュラハン

馬に乗っている首のない男の姿をした妖精。 黒い馬に乗って片手で手綱を握り、もう片方の手で自分の首を抱えてぶら下げている姿が広く知られている姿。 馬にも名前があり、コシュタ・バワー(音なき馬車)と呼ばれている。人の死を予言し、バンシーと違って予言にとどまらず人の命を奪うこともある。

ブラウニー

民家に住み着き、住人の留守や睡眠中に掃除や仕事をしてくれるとされる妖精。しかし、あまりにも綺麗に片付いた家だと逆に散らかしてしまうという説もある。 助けてくれた場合は、人間はお礼として部屋にさり気なくお礼の食べ物を備えて応える民間信仰的な日本で言う「八百万の神」に近い役割もある。さりげなくというのが大事で、こちらが意図的に手伝いを望むようにしてしまうと怒って離れていってしまう。

ブラックドッグ

黒い犬の姿をした不幸をもたらす妖精のこと。イギリス全土では不吉の象徴とされる。 ヘルハウンド、黒妖犬ともいわれる。 燃えるような赤い目に黒い体の大きな犬の姿をしており、「夜中に古い道や十字路に現れ、目撃した者や触れた者を死に誘う」

ピクシー

イングランド南西部に伝わる妖精で、洗礼を受けずに亡くなった子供の魂の化身ともいわれる。 怠け者を「ポルターガイストで困らせる」「子供をさらい、子を取り替え」などの悪事をする反面、ボウル一杯のクリームやリンゴ1個をお礼に与えることで、仕事を手伝ってくれることもある。 現在では昆虫の翅が生えたフェアリー少女の姿で描かれることが多いが、男の姿も存在する。

ドワーフ

伝承によってその姿形は様々だが、多くは白い髭をたくわえた老人のような容姿の小人で描かれることが多い。古くはグリム童話の『白雪姫』などに登場する「7人の小人」もドワーフ。 ファンタジー作品の大半に登場する時の“偏屈”や“頑固”と言った性格付けはあまり無く、森の奥や地下に住んで仲間たちや動物たちとも仲良く、毎日を酒を飲みながら歌い踊りながら暮らしている、非常に陽気な性格の妖精として描かれる事が多い。 北欧神話には“ドヴェルグ”という名前の小人の妖精が登場するが、こちらは陰気で地下深くで生活することを好む。 ドヴェルグは、利害関係によっては人間に味方したり、自分を作った神々とも対立する存在になったり、神々に自分たちの作った武器や宝物を作って捧げる事もある。 武器や宝物を自分たちで作って捧げることから非常に優れたものづくりの能力を持つ匠という解釈をされ、現代のファンタジー作品における鍛冶職人のドワーフというイメージは、「童話のドワーフと北欧神話のドヴェルグ」が合わさったイメージとされている。

グレムリン

機械に悪戯をする妖精。 機械の調子を悪くする存在とされ、20世紀で航空機が発達し始めると飛行機のパイロットたちの間で原因不明のエンジントラブルを引き起こす原因と考えられるようになった。(当時のエンジンの性能は高くなく、飛行中に止まってしまうことも多かった事情がある) 第2次世界大戦中、戦闘中のエンジントラブルは即撃墜につながるため、トラブルを仲間に責任転嫁してしまうと隊全体の士気が落ちてしまうためにグレムリンの仕業という方便が信じられるようになった。

エルフ

北欧起源の妖精の総称。「光のエルフ」と「闇のエルフ」がいるとされ、後者はダークエルフのイメージの原型的なもの。 「耳が長く尖っていて長寿」というのが現代だと共通事項になっている。俗に「エルフ耳」と呼ばれ、エルフ以外のキャラクターであっても、耳が尖っていればエルフ耳と呼ばれたりする。 筋力は比較的弱く、肉体的な耐久力も低めだが、身のこなしは軽く手先も器用。魔術のほか、自然に関わる力や芸術にも長けている個体もおり、物理系武器では弓矢を得意とする個体が多い。 大抵は森の中で小集団で暮らしており、生真面目かつプライドが高く選民意識が強い。

ノーム

四大元素のうちの地の精。その容姿は大きくとも1m未満の小人であり、帽子に炭鉱夫のような服装、長い白髪と同様の髭を蓄えた老人の姿をしているという。 大地に自在に潜り、その中を進むことができるとされ、また地中奥深くに隠された秘宝の番人でもあるという。 死に強く関係する存在

アンデッド

死んでいるわけでも生きているわけでもない、生命を失ってもなお活動を続けているものの総称。 死体が超自然的な力や怨霊などによって活動しているものがアンデッドに当たる 有形と無形の2パターンあり、有形のものがグール、ヴァンパイア、ゾンビなどと呼ばれ、無形のものはゴーストと呼ばれる。 語源はun-dead(dead(死)un-(否定形))から。 アンデッドの種類 世界中にアンデッドはいる

グール

アラビアの伝承に登場する人間の死体や小さな子供を食べる悪魔。砂漠に旅人を誘い込んでその肉を貪る。日本では食死鬼と書かれる。

レブナント

中世イギリスのレブナントはフランス語で“戻る”を意味し、死後間もない死体が、怨念などの強い感情によって一時的に蘇ったものを指す。 一般的なアンデッドとは違い、生前と変わらぬ知識や知能、意思を備えており、無作為に人間を襲わずに計画的に人間を襲う。

キョンシー

中国には、埋葬前の死体を長時間室内に安置すると死体が動き出す、故郷の地では埋葬できないとその家族は不幸になるという伝承がある。 一度にたくさんの死者が出るとその死体がどこの出身であるかわからず、運搬するのも困難なので、道士の術によって死体を自ら歩かせようというと方法だった。 腕を前に突き出し、直立不動の姿勢のまま足首だけを使ってぴょんぴょん飛び跳ねる。凶暴な性格で人間の生き血を求めて徘徊する。

リッチ

ネクロマンサーなどの死霊術に長けたものが、アンデッドになったものとされる存在。 自身もアンデットながらに他のアンデッドを使役するなど、上位のアンデッドとして君臨している場合が多い。

死神

死を司る、あるいは死を擬人化した神。 定番の姿である、黒衣を纏い鎌を掲げて魂を刈り取る骸骨の姿は、ギリシャ神話の豊穣神クロノスがもとになっている。 死神が鎌を持っている理由は、人間の魂を麦穂に見立てて、これを収穫するための農耕具とする説が有力。 鎌を持った死神はグリムリーパー(恐ろしい収穫者)とよばれて、刈り取った魂を冥界に運ぶ担い手となっている。

幽霊

日本では幽霊、霊魂。海外ではファントム、ゴースト、スペクター。などのように呼ばれる。 人間に取り憑いて祟りを起こすという説話も多く、狐憑きのような動物霊に祟られて精神に異常をきたすケースなども存在する。また、火の玉(鬼火・ウィルオーウィスプ)も不吉をもたらす死霊だと言われている。 物理攻撃が聞かないという特徴も持っている。

生霊

生きている人間の霊魂も体外に出て動き回ることがあると考えられている

地縛霊

死に際にいた場所から離れられない霊。

火の玉(鬼火、ウィル・オー・ウィスプ)

不吉をもたらす死霊の一種とされる。

狐憑き

動物霊の一つ。祟られると精神に異常をきたす。

幻獣

ドラゴン

名の由来は、古代ギリシャ語で大蛇、鋭く見るものを意味するドラコーンであるという説が有力。 紀元前3000年頃にバビロニア神話に登場したティアマトーの一族が、文献に残る世界最古のドラゴンとして知られる。神や自然への畏怖をそのまま具現化した存在として描かれた。 強大な力を持っているため、神として崇められることもあれば、打ち倒すべき敵として描かれることもあったり、描かれるものによって様々な立ち位置をもつ。 キリスト教ヨハネの黙示録には、天使に敵対する邪悪な生き物として描かれる。 平和を求めるドラゴンも存在し、東欧・中欧のズメイでは国の守護竜として知られている。 強靭な外郭、牙、爪を持ち、それらは武具の素材として理想的で、地肉や骨も万病に効く霊薬とされる。 財宝や黄金を溜め込む習性があるものも存在し、強大さと討伐後の見返りの大きさから、大きな目的を達成する物語、竜討伐(竜退治)の物語を描かれることもある。 ドラゴンを討伐した者は、賞賛と畏敬の念とともにドラゴンスレイヤーと呼ばれ、財宝を無事持ち帰れた者は英雄と讃えられる。 これにあたる代表作としては、日本神話の八岐大蛇、ギリシャ神話のヒュドラなどがあげられる。 蛇はドラゴンの原型でもあり、アステカのケツァルコアトル、インドのナーガは、蛇神であると同時にドラゴンとしても捉えられていた。 平和を求めるドラゴンも存在し、国の守護竜として知られる、東欧中央のズメイがこれにあたる。 東洋におけるドラゴンのような存在を竜という。

フェニックス

死期を悟ると肉桂(にっけい)の小枝を集めて巣を作り、火をともして自らを焼き、その灰から新たな幼生として復活する不死の鳥。

ケルベロス

冥府に続く聖堂の門の「生者の侵入を防ぐ」「亡者の脱出を見張る」番犬。 ハーデスの忠犬で、3つの首を持つ姿が定番だが、3つの首だと定着したのは中世からで、もとは50個とか100個ともされていた。

グリフィン

鷲の頭部と翼に前足、ライオンの胴体を持つ混合獣。 ギリシャ神話では神々の馬車を引く馬、金鉱の守護神として登場。エジプト神話ではスフィンクスの別形態、バビロニア神話では創世神ティアマトの幻獣の1匹として描かれている。

ユニコーン

獰猛かつ屈強で慎重。馬よりも速く、額の中央に伸びる強靭なツノはどんなものも突き通し、人の手には負えない存在とされる、 乙女にだけは気を許すという説話から「純潔」「貞淑」の象徴とされるが、無敵さ故の「傲慢」も持ち、七つの大罪では「憤怒」を象徴される。 uni(ひとつ)corn(角)なので、日本語では一角獣とも訳される。 バイコーン(biはふたつを意味する)も存在し、ツノの数が違うだけでなく、聖なるユニコーン、邪悪なるバイコーンという対比で描かれることもある

ペガサス

天を駆ける翼の生えた白馬。 ギリシャ神話の英雄ベルセウスが、見たものを意思に変えてしまうメデューサの首を切り落としたときにできた血溜まりから生まれた。 気性の激しい暴れ馬で誰も乗りこなせなかったが、女神アテナの手綱でコントロールすることができる。 語源は「水源」「水源を掘り当てるもの」という意味で泉と関連付けられるとされる

キマイラ

前方は獅子、後ろは大蛇、真ん中は牡山羊の形をなし、ものすごいさまに口から火を出しているもの。

海に関わる存在

人魚

上半身が人で下半身が魚。女性の場合はマーメイド、男性の場合はマーマンと呼ぶ場合もある。 各地の伝承では、美しい姿をしていることが多く、また不幸な最後を遂げる傾向がある。 日本に伝わる八百比丘尼伝承では、人魚の肉を食べた人間は不老不死になるとも言われている。

セイレーン

ギリシャ神話に登場。海に住んで詩で人間を誘惑し、船を座礁させる、あるいは人間を食べるとされる。

クラーケン

北欧に伝わる海の怪物。多くの場合は巨大なタコやイカの姿をしていると言われている。 創作上での役割としては、島と間違えた者や海賊船、客船などを海中から伸ばした職種で引きずり込む描写が定番。 海賊船や客船などを懐中から伸ばした触手で引きずり込む描写が定番。

獣人

狼男(ウェアウルフ) 体の一部あるいは全てが狼に変身する獣人の一種。女性を指す場合には狼女。 変身する理由としては、魔法や秘薬、病気や呪いで変身させられたなどが挙げられる。 ヴァンパイアは満月の夜に魔力が高まり、狼男は満月を見ると変身する、どちらも銀に弱点という共通点がある。

無機質な存在

巨人

小さい存在では2m、大きい存在では100kmある人型の生物または神。神である場合は巨神と表記される場合がある。 巨人に関する説話は膨大な数があり、自然の脅威や外敵を巨人に見立てたり、巨人が主役の英雄譚だったり、巨人から世界が生まれたとする創造神話も存在する。 輝かしい功績を残した人物が巨人として描かれる傾向があるため、巨人信仰は世界各地で合ったものと推測される。 世界各地には巨人の痕跡とされる遺跡などがあり、与那国島沖合の海底遺跡、イギリスのストーンヘンジなどが挙げられる。 「知能が低く乱暴で人を食べる存在」「賢く、人間に友好的で、超古代の生き残りである存在」に大別される。

ゴーレム

ユダヤ教の律法学者「ラビ」のごく一部の人間が創り出すことのできる人造人間。ヘブライ語で「原材料」を意味する「Gelem」が語源。 材料には主に土や石、金属などが用いられる。他の生物(死体)を材料とすることもあり、これはフレッシュゴーレムと呼ばれる。 魂の宿らない人形であり、自ら会話する能力はないものの、簡単な命令や会話は理解して実行に移すことも可能。

フランケンシュタイン

つなぎ合わせた死体に新たな生命を与えて生み出された怪物。 姿は醜悪に描かれるが、圧倒的な力と、聞き取りだけでその言語をマスターしてしまうなどの知性と肉体を有している。

魔物・モンスター・クリーチャー

モンスター

「ダンジョンを探索する冒険者」であるプレイヤーの行く手を阻む障害の一つとして登場したのがモンスター。 タクティカルスタディズルールスという会社からRPGというゲームが出版された プレイヤーはファンタジー世界に登場するような戦士や魔法使いを自由な発想のもとに演じ、ゲームのコントローラー(ダンジョンマスター)が出す課題をクリアしていく。ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)というゲームが存在し、このゲームは、小節「指輪物語」のブームに後押しされ絶大な人気が出た。 更に「ウィザードリィ」や「ウルティマ」などのアメリカ由来のゲームは、その後のRPG作品に大きな影響を与えた。 多くは神話や伝承に登場する怪物からの引用ではあるが、ゲームをキッカケにオリジナルのものも多く作られた。

吸血鬼 ヴァンパイア(vampire)

人を襲って生き血を吸う魔物。現代においてはゴシックホラーな貴族というキャラクターが典型。 多くの場合不死。吸血鬼に吸われたものは、自身も吸血鬼になるという設定が定番 吸血鬼の典型的なイメージであるドラキュラ伯爵は、15世紀ルーマニアのワラキアを治めたヴラド三世(ヴラド・ツェペシュ)がモデルとされる ヴラド三世は逆臣を見せしめに串刺しにして処刑することを好んだと言われており、ツェペシュ(串刺し公)とあだ名され、自身はドラキュラ(竜の子)という異名を好んだとされる。 19世紀イギリスの小説家ブラム・ストーカーが、このヴラド三世の人物像から着想を得て吸血鬼のキャラクターを構築し、小説「ドラキュラ」の主人公として世に出した これが評判を得て後の吸血鬼のイメージとして定着する しかし弱点も多く、よくある設定としては ・日光によわくて浴びると灰になる ・銀の武器に弱い(その輝きからあらゆるアクと魔物に対応する物質と考えられていたから) ・十字架に弱い。生前の自分の罪深さを思い出して自責の念にかられる。もしくはキリスト教徒の信仰の強さの力を恐れるた、なので本人がキリスト教を信じていた時期がないなら十字架は聞かない ・聖水、聖遺物などに弱い ・にんにくに弱い。強い匂いを持つものは魔除けになるという民間信仰から ・杭で心臟を貫けば死ぬ。(杭を打ち付けて大地につなぎとめて組成を阻む意味があるため) 他にも、家人に招かれない限り家に入れない、塩、川を渡れないなど、作品によってかなり多くの設定がある。作品によっては弱点の一部を何らかの理由で克服させて吸血鬼の強さを演出することもある。